【日本版DBS】急な欠員で確認が間に合わない!知っておくべき「いとま特例」の条件と安全対策
「新しいスタッフを採用したいけれど、日本版DBSの犯罪事実確認(前科照会)には時間がかかる……」
「担任が突然退職してしまい、確認結果を待っていたら明日からの授業や保育が回らない!」
こども性暴力防止法(日本版DBS)の導入に伴い、こうした急なトラブルや人手不足に関する不安の声を多くいただきます。
そこで法律上設けられているのが、「いとま特例(犯罪事実確認の猶予特例)」という制度です。
この記事では、現場の急な欠員にも対応できる「いとま特例」の仕組みと、利用する際に事業者が守るべき厳格なルールについて解説します。
1. 「いとま特例」とは?(時間的余裕がない緊急時の救済措置)
原則として、子供と接するスタッフを採用・配置する前には、国の照会システムで性犯罪歴がないか確認(照会)する必要があります。
しかし、急病による突然の退職や急な学級増など、事前に予測できない「やむを得ない事情」で、照会結果を待つ時間的余裕(いとま)がない場合もあります。
そうした緊急時に限り、犯罪事実確認が完了する前であっても例外的に現場で業務を開始できる仕組みが「いとま特例」です。
確認の期限: 従事開始日から原則3か月以内(組織変更や国の交付遅延等がある場合は最大6か月まで延長可能)
2. 単なる「確認の先延ばし」ではない!適用中の注意点
「じゃあ、急いでいるときはとりあえずこの特例を使えばいいや」と思うかもしれませんが、決してそうではありません。
いとま特例を適用している間は、万が一の被害を防ぐため、対象のスタッフを「性犯罪事実がある人物と同等のリスクがある前提(特定性犯罪事実該当者とみなす)」で厳格に管理することが義務付けられています。
具体的には、照会結果が出るまでの間、以下の措置を徹底しなければなりません。
子供と1対1にさせない(複数人配置)
密室で子供と2人きりになる環境を絶対に作らず、別のスタッフと同席させるか、外から中が完全に見える(ガラス張り・扉開放など)環境で業務を行わせる。
リスクの高い業務の制限
身体接触を伴う介助(着替え・トイレ等)や、単独での送迎・宿泊行事の引率などからは外し、業務範囲を制限する。
管理職による巡回と記録の徹底
管理職による定期的な見回りを行い、いとま特例を適用した理由や実施した安全措置の内容を文書で記録・保管しておく。
3. 「やむを得ない事情」にあたるケース・あたらないケース
いとま特例はあくまで緊急避難的な措置です。どんな場合でも使えるわけではありません。
適用できるケース(例):
担任や保育士の急病・事故・突然の退職など、予測不能な欠員
派遣・請負会社側の都合で手配が大幅に遅れた場合
法人の合併や新設に伴う短期間での大量採用
適用できないケース(例):
通常の新卒採用や、前もって分かっていた定期人事異動
単に事業者が手続きを忘れていた、または準備を後回しにしていた場合
まとめ:緊急時の対応と日頃の準備をセットで!
「いとま特例」があることで、万が一の急な欠員時にも現場をストップさせずに運営を継続することができます。
しかし、特例を適用している間は「複数人体制での配置」や「業務制限」といった現場の工夫と厳重な管理が求められます。
制度のスタートに向けて、通常の採用計画を余裕を持って立てることはもちろんのこと、「万が一いとま特例を使うことになった場合の現場のシフト体制」もあらかじめ想定しておくことが大切です。
複雑な手続きや制度へ対応も、当事務所がしっかりとお手伝いいたします。疑問や不安を一緒に解消しながら手続きをすすめてまいります。
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