自宅を誰に残すか決めていますか?

~不動産がある方の遺言~

「自分が亡くなった後、この家はどうなるのだろう?」

今はまだ元気だから、そんな先のことは考えていないという方も多いかもしれません。

けれども、自宅などの不動産は、預貯金のように簡単に分けることができない財産です。

「妻にこの家を残したい」
「長男に自宅を引き継いでほしい」
「今住んでいる家は、今後もこの子に住み続けてほしい」

このように、自分が亡くなった後の自宅について希望がある方は、元気なうちに考えておくことが大切です。


自宅は、相続のときに分けにくい財産です

相続財産には、預貯金や株式などさまざまなものがあります。

預貯金であれば、相続人の間で金額を分けることを考えやすいでしょう。

一方、自宅の土地や建物は、実際に暮らしている家であることも多く、簡単に分割することはできません。

例えば、相続人が子ども2人の場合、

「自宅を2人で半分ずつ相続する」

と単純に決めればよいとは限りません。

誰がその家に住むのか、売却するのか、その他の財産をどのように分けるのかなど、さまざまなことを考える必要があります。

だからこそ、「自分の自宅を将来どうしたいのか」を元気なうちに考えておくことが大切です。


「この家は長男に残したい」という希望があるなら

例えば、

「長年住んできたこの家は、長男に残したい」

という希望があるとします。

遺言書では、特定の財産を特定の相続人に相続させる旨を定めることができます。

ただし、「遺言書に書けば、必ずそのとおりになる」と考えてしまうのは注意が必要です。

相続人には、一定の要件のもとで「遺留分」という法律上保障された権利があります。

そのため、自宅を特定の方に残したい場合には、

  • 相続人は誰なのか
  • 自宅以外にどのような財産があるのか
  • 他の相続人とのバランスはどうか
  • 遺留分について問題が生じる可能性はないか

なども含めて考えることが大切です。


「妻に自宅を残したい」という場合も

例えば、現在ご夫婦で自宅に住んでいる場合、

「自分が亡くなった後も、妻にはこの家で安心して暮らしてほしい」

と考える方もいらっしゃるでしょう。

この場合も、「自宅を妻に残す」とだけ考えるのではなく、残されたご家族がその後どのように生活するのかという視点から、財産全体を考えることが大切です。

自宅以外の財産が少ない場合には、他の相続人との関係についても慎重に検討する必要があります。

「家は妻に残したい。でも、子どもたちのことも気になる」

そんな場合には、早めにご自身の希望を整理しておくとよいでしょう。


子どもがいるから、話し合えば大丈夫?

「自分が亡くなった後は、子どもたちで話し合って決めればいい」

そう考えている方もいらっしゃると思います。

もちろん、遺言書がない場合には、相続人全員で遺産分割について話し合うことになります。

しかし、家族それぞれの生活環境や考え方は異なります。

例えば、

  • 長男は遠方に住んでいる
  • 次男は現在その家に住んでいる
  • 長女は別の場所に家を持っている
  • 自宅を売却したい人と、残したい人がいる

ということも考えられます。

ご家族が仲良くても、相続が始まってから初めて財産の分け方を話し合うと、意見がまとまるまで時間がかかることがあります。

だからこそ、

「自分はどうしたいのか」

を生前に考え、遺言書という形で残しておくことには意味があります。


自宅だけでなく、財産全体を考えましょう

「自宅は長男に残したい」と決めたら、それだけで終わりではありません。

例えば、

  • 自宅(土地・建物)
  • 預貯金
  • 株式などの有価証券
  • その他の不動産
  • その他の財産

などを一度整理してみましょう。

自宅を特定の相続人に残す場合には、その他の財産をどのようにするのかも含めて考えることが重要です。

遺言書を作成するときには、「誰に何を残したいのか」という希望だけでなく、相続人と財産の全体像を整理することから始めるとよいでしょう。


不動産がある方は、相続登記についても知っておきましょう

不動産を相続した場合には、相続登記についても確認しておく必要があります。

なお、相続登記は2024年4月1日から義務化され、申請期限が設けられています。※1

正当な理由がないのに申請義務に違反した場合には、10万円以下の過料の対象となることがあります。

相続登記の義務化について詳しくは法務省のホームページをご確認ください。

なお、相続登記の申請代理など、登記に関する業務は司法書士の業務となります。


相続手続きを進める中で司法書士へのご依頼が必要となった場合には、必要に応じて信頼できる司法書士をご紹介し、専門家と連携しながらサポートいたします。

「どの専門家に相談したらいいのかわからない」という場合も、まずはお気軽にご相談ください。

※1 相続登記の申請期限について
原則として、不動産を相続したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
また、2024年4月1日より前に相続した不動産についても相続登記の義務化の対象となり、原則として2027年3月31日までに申請する必要があります。

▶当事務所の相続・遺言サポート内容や料金についてはこちら

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